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  • 執筆者の写真smo inc

パーパス・ドリブン・ブランド戦略事例:NIKE


SMOのアメリカ在住コンサルタント:Justin Leeによる、パーパス経営のヒント「パーパス・ドリブン・ブランドの戦略から学ぶ」。 今回はNIKEのケーススタディをご紹介します。

 

NIKE

– パーパスを起点にしたコミュニケーションのケーススタディ –

「Our purpose is to use the power of sport to move the world forward. We believe in a fair, sustainable future―one where everyone thrives on a healthy planet and level playing field.」

(スポーツの力で世の中を前進させる。全ての人が健康で平等に競える、公平でサステナブルな未来を信じて)

これがナイキのパーパス。(2019年当時のもの。その後パーパスの改定あり) 常にナイキは大胆な取り組みでブランディングの最前線を走ってきた。なぜそれを可能とさせるのか? 今回はナイキの二つの事例をパーパスの視点で探ろう。

アスリートのために戦うナイキ

2018年5月、セリーナ・ウィリアムズが産後初の復帰戦となった全仏オープンでの話。彼女は通常のテニスウェアではなく黒いボディスーツを着用して出場し、最初のラウンドを勝ち取った。当時人気のスーパーヒーロー“ブラックパンサー”のコスチュームと似たそれは、血流循環改善機能のあるウェアで、ナイキが持病の血栓症の悪化に悩んでいた彼女のために特別に作ったものだった。彼女によると、このボディスーツを着るたび、ウォリアー・プリンセスのような気分になったという。

ところが全仏オープンの終了後、仏テニス協会はこのボディスーツに対して「テニスへの敬意を払わなければならない」と主張し禁止令を出した。

セリーナのスポンサーであるナイキは、この禁止令に即時に反応。ボディスーツを着用し、活躍するセリーナの白黒写真と共に「彼女のコスチュームからスーパーヒーローを取り除いても、彼女のスーパーパワーは取り除くことができない」というメッセージをツイッターに投稿した。


コリン・キャパニックと「Just Do It.」の30周年

2016年、NFLのコリン・キャパニックは米国における人種差別の現状に不満を持っていた。そんな彼は、国歌斉唱中にひざまずく抗議活動で異議を唱えたのである。論議を巻き起こしたその行動の結果、シーズン後、彼と再契約するチームはなく、事実上NFLを追放された。


それから2年が経った2018年の秋、セリーナのボディスーツへの抗議を訴えた数ヶ月後。ナイキのスローガンである「Just Do It.」が30周年を迎えるタイミングで、コリンは依然として所属するチームがない状態であったにも関わらず、ナイキは彼をキャンペーンの顔として起用する大胆な決断をした。キャンペーンの象徴として据えられたコリンの顔写真の上には、「Believe in something. Even if it means sacrificing everything.」(何か信念を持とう。例え全てを犠牲にしても。)というメッセージが重ねられた。

このキャンペーンは物議を醸し、ソーシャルメディアは炎上、不買運動も起こった。


意思決定の中心にパーパス

ナイキはなぜ、ブランドイメージを損なうリスクを負ってまで、このようなメッセージを発信したのか? 単なる話題づくりなのだろうか?一部にはそうした側面もあるだろうが、ここにはもっと根本的な何かがあるはずである。

ナイキの行動を理解するには、彼らが何のために存在するのかを把握する必要がある。冒頭のナイキのパーパスをもう一度振り返ろう。

「スポーツの力で世の中を前進させる。全ての人が健康で平等に競える、公平でサステナブルな未来を信じて」

このステートメントを読み解くことで、ナイキの行動の真意に光を当てることができよう。ナイキは「公平」と「平等に競える(フィールド)」という原理を大切にしているのである。

ナイキの行動と活動は、常にパーパスに則っており、その結果、一貫性のある強いブランド体験を生み出し続けているのだ。

ナイキは炎上のあとで一時的に株価を下げたが、その後は史上最高値を更新、キャパニック起用のニュースだけでもメディア露出の効果は48億円相当に上ったとも言われている。

ひとつの明確かつ共有されたパーパスを中心に意思決定と行動をとる。このマインドセットこそが、まさしく世界中のマーケターが注目しているパーパス・ブランディングの真髄である。



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