ブランディングの基礎についての本連載では、SMOのパーパス・コンサルタント、ジャスティン・リーが、ブランドとは何か、ブランディングとは何か、そして、ブランディングとパーパスとの関係を解説します。
第4回となる今回は、ブランディングの仕組みと過程を解説します。
ブランディングの仕組み:過程編
ブランディングによって、価値が高まるということはすでにこれまでの連載でお伝えした通りですが、では実際に強いブランドはどのように価値を作り出しているか、その過程を詳しくみていきましょう。
1)企業活動からスタート
ブランディングの過程は企業活動から始まります。この企業活動とは、経営陣の仕事だけでなく、商品開発、製造、マーケティング、販売など、全ての活動を含みます。
2)企業活動がアウトプットに
それらの企業活動からは様々なアウトプットが生まれます。それには商品、サービス、店舗、カスタマーサービス、コミュニケーションなどがあります。
3)アウトプットが体験へ
これらのアウトプットは消費者や関係者にとっての接点、つまりタッチポイントとなります。そして、それらのタッチポイントとの接触の集合が体験となります。
4)体験がブランドに連想する情報を形成
この体験を通じて、顧客の頭にその企業や製品に連想する情報と感情が蓄積され、ブランド価値が形成されるのです。
強いブランドの3つの力
そして、ここで重要なポイントがあります。強いブランドが形成された場合、主に次の三つのことが生じます。
顧客ではない人が顧客になる
既存の顧客が企業の商品を継続的に購入する
さらに、その製品を他の人々に推薦する
これらによって、価値が創り出されるのです。上記のブランディングの過程から見るとブランディングは表層的なものではなく、経営における本質的な取り組みであることが分かります。ブランディングとは、企業価値を高める活動なのです。
強いブランドを築くためには
では、どのようにすれば強いブランドを築けるのでしょうか?それは「ブランドとの良い体験・経験」を人の中に蓄積させていくことです。そのためには、あらゆる接点において統一感と一貫性が必要となります。これを可能にするために役立つ考え方が2つあります。それがブランド・アイデンティティとブランド・アーキテクチャです。
これらについては、次回第5回で詳しく説明いたします。
「ブランディングの基礎」