1950年、中国の識字率は20パーセントでしたが、現在では、85パーセントを超えています。
その要因のひとつに、1950年代に漢字が簡略化されたことがあります。当時、中国政府は新しい簡体字「简体字」を制定し、画数を減らして簡略化、さらに中国漢字そのものの総数も減らしました。これにより、学ぶ側だけでなく、教える側にもハードルが下がりました。
会社の信念や価値観を、組織全体に浸透させる際に、この漢字の簡略化のケースから学ぶべき示唆があります。企業の信念や価値観の理念体系が長すぎたり、要素が多すぎたりといった複雑なものであれば、それを伝播して組織内外に拡げる機能も低下するということです。
その理念体系は、
急速に進化する現代の世界で、すぐに習得でき、内部浸透できるようなものか?
さらに他の人に教え、広めることができるものなのか?
企業の信念(=パーパスやビジョン)と価値観の理念体系を考える上でのキー要素として、これらの2点について、問いかけてみるとよいでしょう。