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執筆者の写真smo inc

バービーブランドを擁するマテル社のパーパス活性化

更新日:2023年8月25日

全米で映画が公開され、大ヒットを記録して話題の「バービー」。今回は、そのバービーやフィッシャープライスなど多くのトイブランドを抱える米国の大手玩具会社マテル社が、どのようにパーパスを軸としたムーブメントを巻き起こしたのかを見てみよう。


 

Inspiring the limitless potential of girls.

(女の子がもつ無限の可能性をインスパイアする)


これは、バービーのブランドパーパス。2010年代半ばのカムバック戦略以来、このパーパスを中心に据えている。


それでは、バービーブランドを抱える親会社、マテル社ではどのようなパーパスを掲げ、それを活性化しているのだろうか?

 

市場環境がデジタル・ファーストとなり、さらにミレニアル世代の親たちはブランドにパーパスを求めるようになってきた。そこで、マテル社は自社の理念のアップデートに着手し、パーパスを次のように再定義した。

We empower the next generation to explore the wonder of childhood and reach their full potential.

(私たちは、次世代を担う子ども達が、子ども時代のすばらしさを探求し、その可能性を最大限に発揮できるようにサポートします。)


このパーパスを展開するために、マテル社は6ヶ月間のグローバル・アクティベーション・プランを実行した。このプランでは、まずリーダー層の考え方を新しいパーパスに統一するところから始まる。その後で、グローバル規模でタウンホールイベントを開催し、パーパスを発表・紹介した。全社的なイベントに続いて、世界中で100以上のパーパス活性化ワークショップを開催した。このプランには、パーパスを人事的イニシアチブにも取り入れること、パーパスを中心にビジネスプロセスを再設計することや、社外コミュニケーション・プログラムも含まれた。


このプランは主に以下の5点から構成されていた。

  • - リーダー層のパーパス体験

  • - 従業員のパーパス体験

  • - 人事フレームワーク

  • - ビジネスプロセスの再設計

  • - 社外コミュニケーション



主な学び

このプランでの重要なポイントは、会社の主要イベントやコミュニケーション活動も考慮に入れているということである。パーパス活性化のプランは独立した取り組みであるべきではない。社内で起きていることとリンクしていなければならないのだ。新商品の発売やコミュニケーション・キャンペーンの計画を、パーパスに紐づいたものにすることで、パーパスに説得性が生まれ、従業員にとっても、より信じやすいものになる。


またもう一つの重要なポイントがある。それは、通常多くのパーパス活性化プランではワークショップやコミュニケーションなどでリーダーシップや従業員の体験に焦点を当てているのに対して、このマテル社の事例では、さらに人事やビジネス・プロセスをパーパスと結びつけ、活性化を加速させたことだ。人事プロセスをパーパスと結びつけることで、従業員がパーパスへ自発的に向かうようなフレームワークを生み出す。また、ビジネス・プロセスの再設計で、従業員は日々の仕事やプロジェクトにパーパスを重ね合わせることができるようになるのだ。



参考リンク : Case Study: Mattel




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