パーパス・ブランディングの中心となる「パーパス」。
第7回 強みと情熱、顧客のニーズとの重なり合いを見つける
SMOが考えるパーパスの構成要素は、主に以下の3つで成り立っている。
自社の強み
自社の情熱
市場、世の中からのニーズ
この3つが交わるところに、自社の存在理由がある。この部分を深掘りし、探り当てて言語化したものが「パーパス」となる。
これまでの記事(第1回~第6回)で取り上げたステップを経て、以下の3点が洗い出された。
自社の強みの重要な要素
自社の情熱の重要な要素
顧客ニーズの重要な要素
これらから、自社の強みと情熱、そして、顧客のニーズが重なる点を見つけること。具体的なワークの仕方を紹介しよう。
重なり合う部分を見極める
順1)
まずは、自社の強みの要素から始めよう。強みの各要素を見て、ニーズの要素と関連するものがあるかどうかを確認し、結び付けられるものを探す。
順2)
次に、自社の情熱についても同様に、情熱の各要素と、ニーズの要素から、関連するものがあるかどうかを確認し、結び付けられるものを探す。
順3)
順1−2で結びついた要素は、あなたの会社の強みや情熱と、お客様のニーズとの結びつきを表している。
それぞれの結びついた要素について、その関係性を最もよく表す言葉やフレーズを考えよう。もし良い言葉やフレーズが思い浮かばない場合は、ペアの元となる要素のワードを使っても良い。例えば、「コーヒー」が自分のこだわりで、「飲み物」がニーズだったとしたら、このペアを表す言葉として「コーヒー」にもできる。
このように、対になった結びつきから派生した言葉やフレーズをパーパスの「エッセンス」と呼ぶ。
スターバックスの例
パーパスのエッセンスを抽出するために対になるものを見つけ、言葉/フレーズを考え出す例を見てみよう。あなたがスターバックスの経営層にいるとして、この方法論を使ってパーパスを発見し、明文化する場合、どんなエッセンスができるかを考えてみよう。
自社の強み要素:
(1)コーヒーの権威である
自社の情熱の要素:
(2)コーヒーからコミュニティを創造できるという確信
顧客のニーズの要素
(A)おいしいコーヒーが飲みたい
(B)コミュニティの一員でありたい
ここから思いつく結びつきは以下のようなものになる。
(1)と(A)
強み:コーヒーの権威であること、ニーズ:美味しいコーヒーが飲みたい
この対では、例えば「コーヒーへの情熱」という表現で、この関係を表現できる。また、2とBでは情熱とニーズで別のペアを作ることもできる。
(2)と(B)
情熱:コーヒーからコミュニティを創造できるという確信、ニーズ:コミュニティの一員になりたい
この対では、"ヒューマン・コネクション "という言葉で関係を表現できる。
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