弊社で調査した「PURPOSE STATEMENT LIST 2023」から、東証プライム企業のパーパスステートメントを様々な視点で分類して考察するこのシリーズ。今回は、弊社が独自の視点で見出した種類の「what we do」型(以降WWD型)を紹介しよう。
WWD型の定義
WWD型のパーパスの特徴は、
企業が何をしていて、どんな価値を作り出しているのかに特化していること。
文章の構造は極めてシンプルである。(例:接続文を使用しない)
伝えるポイントを一つに絞っている。
WWD型の例
例を紹介しよう。
東京海上ホールディングス お客様や地域社会の“いざ”をお守りすること
花王 豊かな共生世界の実現
TOTO 豊かで快適な生活文化を創造する。
コクヨ ワクワクする未来のワークとライフをヨコクする。
パイロットコーポレーション 人と創造力をつなぐ。
エイチ・アイ・エス 「心躍る」を解き放つ
WWD型のメリットと注意点
上記の例で分かる通り、シンプルで覚えやすい特徴のため、パーパスは浸透しやすくなる。ただし、注意する点として、あまり抽象的すぎると浸透する際に従業員が共感できずに逆効果になる可能性がある。そのため、抽象度のバランスを意識してパーパスを策定するとよいだろう。
高い抽象度のパーパスが適しているケース
ただし、高い抽象度のパーパスが適している場合もある。企業のサービスや商品が多様化している企業では、その企業のさまざまのサービスや商品をカバーする必要性があるため、抽象度を高くしなければならない。分かりやすい例として、上記の花王のほかに、グローバルでパーパスドリブン企業として有名な、P&G(より多くの消費者の生活を少しずつ意味ある方法で日々向上させること)とネスレ(食の持つ力で、現在そしてこれからの世代のすべての人々の生活の質を高めていきます)が挙げられる。
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