先月弊社が公開した「東証プライム上場のパーパス策定企業ステートメント2023」。これらのパーパス・ステートメントを分析した考察、今回は「人間を中心としたパーパス」にフォーカスしてみよう。
今年のリストには164社のパーパス・ステートメントが掲載されており、その中、ステートメントの1/3には、「人」という言葉が入っていることがわかった。
多くの場合で、ステートメント内の「人」というのは その企業が誰に対してサービスを提供したいのか、影響を与えたいのかを指すことが多い。
例を紹介しよう。
SOMPOホールディングス ”安心・安全・健康のテーマパーク”により、あらゆる人が自分らしい人生を健康で豊かに楽しむことのできる社会を実現する
塩野義製薬 SHIONOGIは、常に人々の健康を守るために、 必要な最もよい薬を提供する。
小林製薬 見過ごされがちな お困りごとを解決し、人々の可能性を支援する
また、その企業のアセットとしての「人」、つまり社員や社員の能力、しいてはそれらが成し遂げる変革力などを差しているケースも少なからずある。
この種類の例も紹介しよう。
テクノプロ・ホールディングス 『技術』と『人』のチカラで お客さまと価値を共創し、 持続可能な社会の実現に貢献する。
ヨコオ 人と技術で、いい会社をつくり、いい社会につなげる。
都築電気 人と知と技術で、可能性に満ちた”余白”を、ともに。
示唆
ステートメントの約1/3までに「人」という言葉が多く出ているというこのトレンドにみる重要なポイントは、今日、企業は、社員はもちろん、サービスや商品を提供するすべての人々に対してより責任を持つ必要性があるということだ。 企業はますます人間中心となって経営を進めていかなくてはならないということだろう。