皆さん、こんにちは!SMOサステナビリティコンサルタントの平原です。
先日サッカーU23アジアカップで日本が4大会ぶりに優勝しましたね。
世界で活躍するスポーツ選手が増えてきていますが、皆さんはSDGsとスポーツと聞いて、何を思い浮かべますか?
私は最近スポーツ観戦に行く機会が多いせいか、スポーツブランドが環境に優しい素材を使ったプロダクトを発売したり、子供たちに向けてプロジェクトを行ったりしている広告をよく見かけます。今回は、環境問題と密接に関わるスポーツ団体が、SDGs達成に向けて行っている取り組みを紹介します。
テニス四大国際大会・ウィンブルドンが温室効果ガス削減
イギリスで開催されるテニスの4大国際大会の一つであるウィンブルドンは、気候変動問題の解決に向けて多くの取り組みを行なっています。ウィンブルドンが注目したのは、選手や観客らが会場内を移動する際に排出される温室効果ガスです。移動による温室効果ガスを削減するため、ガソリン車から電気自動車や電気バギーへ移行しました。
©︎AELTC/Adam Warner
多くの観客が参加するスポーツ大会ならではの課題ですね。この点に着目し、すぐに変革をする姿勢に、ウィンブルドンの本気を感じます。今後は敷地内で生産した再生可能エネルギーを利用し、大会を運営することを目指しているそうです。その他にも、資源の効率化のために、ごみ箱やラベルに工夫を加えました。分別を簡単にするため、ごみ箱とラベルの色を揃える取り組みを行いました。シンプルな取り組みだからこそ、リサイクル率が廃棄物量の65%になったそうです。
世界で最もグリーンなサッカーチーム
イングランドの小さなサッカークラブ「フォレストグリーン・ローバーズ(FGR)」。国連のサイトで「世界で最もグリーンなフットボールクラブ」として紹介されています。この評価は、徹底的な環境へのこだわりがあるからです。スタジアムの屋根にはソーラーパネルが設置され、全てグリーンエネルギーを使っています。グラウンドの芝は有機肥料と雨水だけで育て、殺虫剤や除草剤を使いません。
©︎Getty Images Sports
チームユニフォームには、再生可能な竹を50%使用しており、生産時のプラスチックを削減している。
さらに、スタジアム内の「食」も、環境に配慮しています。サッカー観戦の定番食を、肉でなく豆やキノコを使ったヴィーガン食に置き換えました。ヴィーガン食は肉食に比べて、生産過程の環境負荷が少なくなります。FGRは、消費するエネルギーや試合のためのフィールドだけでなく、食の部分にもアプローチをしているのです!
多くの人々が熱狂するスポーツ。その渦は国や性別などは関係ありません。みんなが同じ方向を向いて応援し、喜びを共有する場面は、まさに境界線が溶けた世界だと感じます。スポーツには、人々が団結する力を持っています。その団結力をSDGsのアクションに向きを変えてみると、SDGsの達成はもっと近くにあると思えるのではないでしょうか。
平原 依文(ひらはら・いぶん)
SMO 広報・PR / サステナビリティコンサルタント
HI合同会社 代表 / 青年版ダボス会議 One Young World 日本代表
小学2年生から単身で中国、カナダ、メキシコ、スペインに留学。早稲田大学国際教養学部卒業後、ジョンソン・エンド・ジョンソンで、デジタルマーケティングを担当。その後、多企業で広報とブランドコンサルティングを推進。2022年には自身の夢である「社会の境界線を溶かす」を実現するために、HI合同会社を設立。SDGs教育を軸に、国内外の企業や、個人に対して、一人ひとりが自分の軸を通じて輝ける、持続可能な社会のあり方やビジネスモデルを追求する。Forbes JAPAN 2021年度「今年の顔 100人」に選出。