組織によっては、組織全体のパーパスだけでなく、組織のレイヤーや領域でのパーパスを再解釈する必要な場合がある。これは特に、組織の規模が大きいほど起こりうる。チームが組織のパーパスとのつながりを見出せるようにするため、各チームごとや事業部門ごとに、それぞれのパーパスを明文化することもできよう。重要なのは、これらの「サブ・パーパス」は会社のパーパスからそのまま降りてきたものであるが、より具体的で、各チームにより関連したものである必要がある。
P&Gやユニリーバのような消費財企業は、その一例である。これらの企業は、会社全体を包括する1つのパーパスを持っているが、個々の製品ブランドは、独自のパーパスを持ち、その製品ブランドが誰を対象とし、何をするのかを示している。
また、組織内でも、中核的な事業活動をサポートする間接的な部署にとっては、会社のパーパスをさらに部署的な解釈に落とし込み明文化することで、自分たちの仕事を全社的なパーパスにつなげやすくなる。
例えば、世界的な金融会社であるプルデンシャル・ファイナンシャルでは、「We make lives better by solving the financial challenges of our changing world.(変化する世界の中で金融の課題を解決することにより、人々の生活をより良いものにすること)」をパーパスとしている。内部監査チームには、彼らの仕事を全社的なパーパスに結びつけるための独自のパーパス、「組織のパーパスに照らして、経営層に有益な情報を提供することで、自信を持った意思決定ができるようにするために存在する」というものがある。プルデンシャルの取締役会メンバーであるロバート・ファルゾン氏は、「内部監査チームは、個人に商品を販売したり、金融保障を提供する最前線にいるわけではないが、彼らの仕事は、それを行っている従業員に力を与えることである」と説明している。
パーパスを活性化させようとする企業にとって、次のことを検討することが重要といえよう。
組織全体のパーパスが組織の各分野にどの程度関連しているかを考える際、部門の業務が組織のパーパスから逸脱しているようであれば、部門のパーパスを明文化することを検討すべきである。
それらのチームが部門ごとのパーパスを明確にすることで、方向性がより明確になり、仕事に良い影響を与える可能性がある場合でも、部門のパーパスの明文化を検討すべきである。
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