以前、外資系企業の英語パーパスの「パーパスステートメント改定のビフォア・アフター」という記事をご紹介したが、今回は、日本企業の場合について見てみよう。
※ なお、旧パーパスから新パーパスへ文言を変更した例の外資企業の例とは異なり、日本企業では、創業時から存在する理念はそのままに、新しくパーパスを据えているところが多いため、ビフォアである「理念」は、実際にはパーパス策定後も使われている可能性がある。
TOPPAN株式会社
旧理念:
私たちは常にお客さまの信頼にこたえ 彩りの知と技をもとに
こころをこめた作品を創りだし情報・文化の担い手として
ふれあい豊かなくらしに貢献します
パーパス:
Breathing life into culture, with technology and heart./人を想う感性と心に響く技術で、多様な文化が息づく世界に。
富士フイルムホールディングス
旧理念:
わたしたちは、先進・独自の技術をもって、最高品質の商品やサービスを提供する事により、社会の文化・科学・技術・産業の発展、健康増進、環境保持に貢献し、人々の生活の質のさらなる向上に寄与します。
パーパス:
地球上の笑顔の回数を増やしていく。
みずほフィナンシャルグループ
基本理念:
〈みずほ〉は、フェアでオープンな立場から、時代の先を読み、お客さま、経 済・社会、そして社員の〈豊かな実り〉を実現する。
パーパス:
ともに挑む。ともに実る。
大東建託グループ
経営理念:
限りある大地の最有効利用を 広範囲に創造し、実践して社会に貢献する。
パーパス:
託すをつなぎ、未来をひらく。
朝日新聞グループ
経営理念:
ともに考え、 ともにつくる
パーパス:
ひと、想(おも)い、情報に光をあて、結ぶ。ひとりひとりが希望を持てる未来をめざして。
東洋経済新報社
企業理念:
健全なる経済社会を牽引する
パーパス:
まじめな「異論」で、未来を拓く
HIS
企業理念:
自然の摂理にのっとり、人類の創造的発展と世界平和に寄与する
パーパス:
『心躍る』を解き放つ
これらは、たくさんある例のうちの数個に過ぎないが、ここから見られる考察は以下のとおり。
①従来の理念は、長文で分かりにいものが多く、パーパスでは簡潔で分かりやすい表現のものにしている。それにより、社内外に、そして若い世代に対しても、企業の理念が浸透しやすくなる。
②一方で、朝日新聞グループの例のように、文字量が増えているケースもある。短かすぎて抽象的な理念を、より自分ごと化しやすいように、パーパスでは具体メッセージを込めている。
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