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  • 執筆者の写真smo inc

海洋保全問題に取り組む企業事例:平原依文のサステナビリティコラム➁

更新日:1月19日

皆さん、こんにちは!SMO広報兼サステナビリティコンサルタントの平原です。

猛暑日が続いておりますが、皆さんお変わりないですか?

この猛暑も、環境問題からくる気候変動が原因と言われており、環境問題に立ち向かうことは、今すぐにでも手を打たなければならない課題となっています。

最近では、台風6号の影響で漁業に大きな打撃があり鮮魚の水揚げが難しいことがニュースで話題になりました。

今回のコラムでは、魚の現状と、海の保全問題に対して取り組む企業を、いくつかご紹介させていただきます。




「美味しいお寿司」の裏にある地球課題


お寿司は私たち日本人の文化であり、誇りです。そんなお寿司が食べられなくなる時代がそう遠くない将来、来ると言われています。その発端が「マイクロプラスチック」です。海亀がプラスチックでいっぱいの海で過ごしている写真を見ることが多くなったのではないでしょうか。

ポイ捨てされたプラスチックごみは、風や雨によって川に入り、海に流れ込んで小さな破片となり、「マイクロプラスチック」となります。海の生物にとっては、プラスチックと実際の餌の区別をつけることが難しいので、エサと間違えて「マイクロプラスチック」を食べてしまいます。


海のプラスチック汚染問題は、生態系を含めた海洋環境への影響が懸念され、気候温暖化などとともに世界の緊急課題となっています。日本財団のデータによると、世界中で年間800万トンの海洋ごみが発生しており、その約8割がペットボトルやレジ袋を始めとする、街で発生したゴミで占めていると言われています。日本は全体で30位で、世界で見たときに海洋ごみの量が先進国の中でアメリカについで2番目に多い国だと言われています。このまま行くと2050年には魚の量をプラスチックの量が上回ってしまうと予測されています。


そんな中、「海」の仕事に直結した漁業連だけではなく、最近では個人から企業まで、色々なところで海の保全活動に向けての取り組みが始まっています。

今回はその中から2社の注目のスタートアップ企業をご紹介します。


 

磯焼けウニを活用した海の環境改善事業「ウニノミクス」


海藻が消滅する”磯焼け現象”が世界各国で起きています。その原因の一つとされるのが、あのお寿司のネタとしても美味しい、ウニ。地球温暖化などの環境変化が主な原因となり、増えすぎたウニが、藻場を食い散らかします。しかも藻場で生息したウニは、身入りが悪く、売り物にもならないので捕獲されません。すると、繁殖を続け、健全な海の生態系に不可欠な藻場をさらに食べ尽くしてしまうという悪循環が起きています。これを救うために、テクノロジーを通じてウニの養殖を実現し、ウニを拡販できる販路のコミュニティまで作っているのが「ウニノミクス」社さんです。


環境と人があればどこでも実現できる事業ですので、ぜひ皆さんが住んでいる場所でもウニを養殖して、一緒に綺麗な海と美味しいウニを次世代に残していきませんか?



 

ヴィーガンエビで新たなフードシステムを作る「Numi Foods」


もう一社、減少する海の生き物たちを救うために立ち上がったドイツのスタートアップがあります。それは、植物由来のシーフードを作っている「Numi Foods」です。

お寿司だけではなく、天ぷらや海老フライをはじめ様々な料理で活用されるエビですが、ほとんどは東南アジアのマングローブで生産されています。昨今この自然災害の影響で、エビの収穫量が減っている課題があります。

Numi Foodsでは、「おいしく健康的なシーフードの代替品を提供し、環境とのバランスを保ったフードシステムを作り出すこと」をミッションに、バイオテクノロジーを駆使して、植物性素材でエビを作っています。環境と海の生物を守るために、お肉に代わる大豆ミートのような形で、食感や味も追求したヴィーガンシーフードを展開していくそうです。




皆さん、いかがでしたでしょうか?お寿司といった身近なお魚の話を通じて、海の保全や、環境問題について考えるきっかけにつながれば幸いです。




 


平原 依文(ひらはら・いぶん)

SMO 広報・PR / サステナビリティコンサルタント

HI合同会社 代表 / 青年版ダボス会議 One Young World 日本代表


小学2年生から単身で中国、カナダ、メキシコ、スペインに留学。早稲田大学国際教養学部卒業後、ジョンソン・エンド・ジョンソンで、デジタルマーケティングを担当。その後、多企業で広報とブランドコンサルティングを推進。2022年には自身の夢である「社会の境界線を溶かす」を実現するために、HI合同会社を設立。SDGs教育を軸に、国内外の企業や、個人に対して、一人ひとりが自分の軸を通じて輝ける、持続可能な社会のあり方やビジネスモデルを追求する。Forbes JAPAN 2021年度「今年の顔 100人」に選出。











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