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ラルフ・ローレンのパーパスを活かした意思決定とアクション

2023年6月、アスペン研究所開催のラウンドテーブルで、ラルフ・ローレンのパトリス・ルーヴェCEOが紹介した2つの事例は、困難で不確実な時代に、パーパスがどのようにビジネスアクションや意思決定を導くかについてのものだった。


ラルフ・ローレンのパーパスは、「to inspire the dream of a better life through authenticity and timeless style」(本物であること、そして時代を超越した普遍性を通じて、より良い生活を夢見てもらうこと)である。今回は、彼らがこのパーパスで実際にどのような行動に移していったのかを見てみよう。


事例1:困難な意思決定の際に役立てたパーパス

パンデミックが始まった頃、ラルフ・ローレンは他の多くの小売業者と同様に、店舗の営業を続けるかどうかの決断に迫られた。その間、政府や地方自治体からの明確な情報は得られなかった。


ラルフ・ローレンは自分たちのパーパスに目を向けた。 「私たちは、人々により良い生活を夢見てもらうことをパーパスとしています。より良い生活において健康は何よりも重要であり、行政からの指示を待たずに、収益に関わらず、店舗を閉鎖します」CEOはこう説明し、休業を決めた。


事例2パーパスを再解釈し、より良い方法で体現する

2020年5月、アフリカ系アメリカ人、ジョージ・フロイドの悲劇的な死は、ラルフ・ローレンにとって極めて重要な出来事だった。

ストーリーテリングは常にラルフ・ローレンの中核をなしており、すでに数年、ラルフ・ローレンでは、顧客の多様なコミュニティを反映したストーリーを展開してきていたが、ジョージ・フロイドの死によって、それをより広い角度から伝える必要があると気づいた。

そこで彼らは、アメリカでアフリカ系アメリカ人の名門として広く知られ、ブラックカルチャーの促進と保存に重要な役割を果たしているモアハウス大学、そしてスペルマン大学と提携した。


ラルフ・ローレンに勤める両大学の卒業生たちは、1920年代から1950年代にかけてモアハウスとスペルマンの学生が着用したスタイルを参考に、アウターウェア、ニット、テーラードスーツ、ドレス、フットウェア、アクセサリーを含むコレクションを開発した。このコレクションは、両大学の深い歴史をとらえ、アメリカンスタイルへの貢献を称えた。


ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューで、デザイナーは次のように語っている。「私たちが描いたのは、全体像としてのアメリカン・ドリームではないかもしれませんが、より多面的なストーリーを語る必要があると感じました」と、そして「このコラボレーションでのゴールは、アメリカン・ドリームの象徴として知られるこの伝説的なブランドをさらに発展させることです。」とした。


このコレクションでは、ストーリーテリングに焦点を当てたコミュニケーション・キャンペーンも展開されている。その一つが、"#アメリカンドリームの肖像 "と題されたドキュメンタリー映画である。モアハウス大とスペルマン大の学生、教員、卒業生へのインタビューをフィーチャーしたこのドキュメンタリーは、インスピレーションと向上心、コミュニティと自己エンパワーメント、そして抗議ツールとして、スタイルを追求したものだった。


インクルージョンの視点からパーパスを再考する

1つ目の事例ではリーダーがパーパスから意思決定と行動を導くことの重要性を示したが、2つ目の例はより深く、パーパスが戦略と製品の原動力となっているという点では同じながらも、状況、コンテクストが異なってきた。戦略は変わったが、パーパスは変わっていない。


ラルフ・ローレンはステークホルダー(顧客とコミュニティ)を再考し、再定義し、拡大した。言い換えれば、インクルージョンという視点からパーパスを再解釈し、それが新しいプログラムや製品の創造につながったのである。


最後に、インクルージョンの観点から、パーパスドリブン企業が戦略を考える際に問いかけるべき質問は以下の通りである。

  1. ブランドのパーパスに影響を受ける人々やステークホルダーは誰なのか?

  2. 組織はどのようにステークホルダーを広げ、パーパスからさらに大きなインパクトを生み出すことができるのか?


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