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執筆者の写真smo inc

”場が生み出す人と人とのつながり” ー新生活とサードプレイスー:平原依文のサステナビリティコラム

皆さん、こんにちは!SMOサステナビリティコンサルタントの平原です。

新年度が始まってから数ヶ月が経ち、新たな環境に慣れてきた頃ではあるけれど、今の時期は地元や家族、慣れ親しんだ場や人が恋しくなり孤独を感じてしまう方が多いのではないでしょうか。

今回は、皆さんが新生活の中で居心地の良い「居場所」に出会えるよう、持続可能な場である「サードプレイス」についてご紹介します。



サードプレイスとは

サードプレイスとはその名の通り「第3の居場所」のこと。

サードプレイスは1989年、アメリカの社会学者であるレイ・オルデンバーグが著書『The Great Good Place』にて提唱しました。

私たちは自宅を第1の居場所、学校や職場を第2の居場所、自宅でも学校や職場でもない日常の煩わしさやストレスから解放され人々が気軽に交流できる居心地の良い場を第3の居場所、サードプレイスとしています。


レイ・オルデンバーグが提唱するサードプレイスの特徴は以下の8つです。


1)中立性

2)社会的平等性の担保

3)会話が中心に存在する

4)アクセスのしやすさと居心地

5)常連の存在

6)地味で目立たない空間

7)遊び心がある

8)感情の共有



サードプレイスの言葉が生まれた当初、アメリカは自動車依存型の社会に陥り、人々は家と職場を往復するだけの状態で、公共の場において他人と交流する機会が失われつつありました。ですが、近年でもSNSの普及によって情報源が個別最適化し、多くの人がオンラインで社会的なつながりを得られるようになり、実際に顔を合わせて交流する機会が減少。当時のアメリカだけでなく、現在は世界的に人間関係の希薄さから孤独を感じる人が急増しているのです。このような状況において、誰もがリラックスして気軽に交流できる「サードプレイス」が大きな役割を果たします。


自分の「サードプレイス」を持つことは、人とのつながりから精神的な安心感を得られるだけではありません。自宅や職場といった自分に近しい人々だけでなく、普段の生活の中ではあまり触れ合えない異なる立場や場で生きる人々とも出会うことが出来るため、自分の世界・視野をより広くすることが期待できます。また、新たな考えや視点に出会えることで、自身のアイデンティティを醸することができます。



身近にあるサードプレイス

では、サードプレイスとは一体どこにあるのでしょうか?

実は、サードプレイスを掲げる企業が身近にあります。



それは以前、SMOのパーパスインタビューでもご紹介させていただいたスターバックス。街を歩いている中でこの看板を見たことがない方はほとんどいないのではないでしょうか。


スターバックスでは、コーヒーを飲む・休憩するという本来のカフェの価値観を超えて、自宅でも職場でもない第3の居心地の良い空間となるお店づくりを行っています。


例として、2020年3月にオープンした東急東横線・綱島駅に直結する「スターバックス コーヒー エトモ綱島店」では、パートナー(従業員)が、コロナ禍の出産で孤独を感じた自身の経験から「子どもがいるお客様同士のつながりを作りたい」という想いを持ち、『ママ・パパのためのCafe Time』の企画・運営を2023年3月にスタート。すぐに予約が埋まってしまうほど人気で、企画内容は絵本の読み聞かせの後、ママたちは好きなドリンクを片手に直近の悩みやオススメのおもちゃや遊びについて語り合います。ママ達にとって、パートナーにとって、子ども達にとって、居心地の良い居場所を生み出せているのです。


考えてみると私はよくカフェラテを飲みますが、カフェラテを提供するカフェが世の中に数多く存在する中で私がスターバックスを選ぶことが多いのは、スターバックスのみが持つサードプレイスの空間に魅了されているからかもしれません。ドリンクが美味しいのは勿論ですが、それ以上にそこにある「居心地の良さ」が沢山の人々を惹きつけているのでしょう。


また、日本のサードプレイスとして代表的なものは「スナック」。

「みんなが平等」であるスナックでは、お互い何者でもないけれど、一定のルールを出しながらも楽しく交流することができます。そしてスナックやカフェだけでなく、公園、美容院、ジム、ご飯屋さん、図書館など、自分たちにとって「心地よい場」は世の中のどこかにあるはずです。



現代を生きる私たちは、インターネットの進化により自分と同じような考え・価値観を持つ人とすぐに繋がれるようになりました。しかし、人と人とが直接出会い対話し繋がれる物理的な居場所は、ネットでは得られない安心感や満足感を得ることができます。もしこの記事を読んでくださっている中で今の自分を孤独だと感じてしまっている方は、本当は孤独ではなく、きっとまだ自分にとって最高に居心地が良いサードプレイスに出会うことができていないからだと思います。サードプレイスは一過性ではなく、持続的な場です。サードプレイスと聞いて、皆さんはどこを思い浮かべますか?ぜひ、ご自身に問いかけてみてください。



 

平原 依文(ひらはら・いぶん)

SMO 広報・PR / サステナビリティコンサルタント

HI合同会社 代表 / 青年版ダボス会議 One Young World 日本代表


小学2年生から単身で中国、カナダ、メキシコ、スペインに留学。早稲田大学国際教養学部卒業後、ジョンソン・エンド・ジョンソンで、デジタルマーケティングを担当。その後、多企業で広報とブランドコンサルティングを推進。2022年には自身の夢である「社会の境界線を溶かす」を実現するために、HI合同会社を設立。SDGs教育を軸に、国内外の企業や、個人に対して、一人ひとりが自分の軸を通じて輝ける、持続可能な社会のあり方やビジネスモデルを追求する。Forbes JAPAN 2021年度「今年の顔 100人」に選出。

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