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本当にサステナブルな施設とは?世界の持続可能な商業施設事例:平原依文のサステナビリティコラム⑥

更新日:1月29日

皆さん、こんにちは!SMO サステナビリティコンサルタントの平原です。


2030年のSDGsのデッドラインにも着々と迫っきて、私たち生活者が使う商業施設も大きく変わってきています。「サステナブルな商業施設」と言われたら、どんなものを想像しますか?

近年、コンビニではオーガニック商品が並び、ショッピングモールではエシカルファッションが、バレンタインには児童労働に配慮されたフェアトレードチョコレートが目立ち、私たちは特定のお店に訪れなくても、サステナブルな商品に簡単に触れられるようになりました。サステナブルな消費は一部の人がする特別なものではなく、当たり前になってきています。


そんな中、世界の「サステナブルな商業施設」に目を向けると、環境に優しい商品が売られているというだけではないようなのです。持続可能な社会の実現のため、より本質に近い取り組みを行う商業施設を紹介します。



 

①世界で最も持続可能なショッピングモール「Burwood Brickworks Shopping Centre」(オーストラリア)



はじめに紹介するのは、オーストラリアの「Burwood Brickworks Shopping Centre」。2019年にオープンし、40店を超える店舗や映画館がある大型ショッピングセンターです。一番の特徴は、最高レベルの持続可能性と再生デザインを目指すプロジェクトが対象となる、Living Building Challenge® Petal認証を取得した世界初のショッピングセンターである点。建物はリサイクルされた資材から構成されており、必要なエネルギーは、太陽光パネルや雨水のリサイクルなどの再生可能資源を使用しています。建物自体を自然界の「木」のように、効率的なシステムにすることを目指したようです。確かに木は、太陽からエネルギーを生み出し、雨水を集め、毒物や汚染物質を排出しません。「木で作られた建物」ではなく、「建物自体が木になる」という画期的な発想は、持続可能な社会を目指す上で必要なアイデアではないでしょうか。


また、施設の天井には先住民のアートが取り入れられています。開発チームは、新しいコミュニティを設計するにあたり、先住民文化の重要性を認識し、先住民アーティストとのコラボレーションを行いました。


 


②米国で最もエネルギー効率の高いビル「bullittcenter」(アメリカ)



次に紹介するのは、アメリカ・シアトルの商業ビル「bullittcenter」。2013年に建設され、環境に配慮した取り組みが多く行われていることから、「世界で最もエネルギー効率の高い商業ビルのひとつ」と称賛されています。こちらも前述した施設と同様に、最も厳格なLiving Building Challenge® Petal認証を取得しています。この商業ビルでは、全てのエネルギーが太陽電池パネルから生成され、飲料水は貯水した雨水を処理したものを使用します。ビルが位置するシアトルは曇りや雨の多い都市ですが、屋根には1328㎡の太陽電池パネルを設置し、太陽のエネルギーだけを使用する施設が実現されました。ビルを設立したプロジェクトリーダーの言葉を借りれば、このビルは「科学実験」なのです。厳しい前提条件の中で実験を繰り返し、文字通り「環境に優しい商業ビル」が実現しました。高い理想だとされている目標も、このビルの先例があることで実現可能性が上がり、他の施設の取り組みを促す役割も果たしていると感じます。


 


③多様な人間と生きものたちが集う空間作り「Coal drops yard」(イギリス)



最後は、イギリスの「Coal drops yard」です。1850年代から60年代の石炭倉庫を、公共空間と商業施設へとリノベーションした、公共空間と商業施設です。施設では再生可能エネルギーが使われ、二酸化炭素の削減に貢献しています。施設内には、イギリス初となる国立のLGBTQ+美術館「Queer Britain」があり、多くの人が集まる施設の設計において、環境への取り組みだけでなく、社会的なメッセージも発信している施設であると感じます。また、元々あった煙突は動線などを隠すために使用したり、敷地の遺産を尊重した設計がされるなど、使われなくなった歴史的建築物を、持続可能な未来のために再利用する精神が至る所で見られます。新しい取り組みを始めようとする時、古いものは不要ではなく、それらの特徴や歴史を生かすことができる良い例と言えます。


 


今回紹介した3つの施設に共通する点は、サステナブルな消費活動を促すだけではなく、施設そのものが持続可能であり、そこに集まる人々や、その他の施設にも影響を与えるインパクトを持っている点です。サステナブルな消費が当たり前なものとして浸透し始めたように、持続可能な建築もまた、新たなスタンダードになって行くのではないでしょうか。「環境に優しい」は理想ではなく、実現可能なものであることを、これらの施設は証明しています。

 


 

平原 依文(ひらはら・いぶん)

SMO 広報・PR / サステナビリティコンサルタント

HI合同会社 代表 / 青年版ダボス会議 One Young World 日本代表


小学2年生から単身で中国、カナダ、メキシコ、スペインに留学。早稲田大学国際教養学部卒業後、ジョンソン・エンド・ジョンソンで、デジタルマーケティングを担当。その後、多企業で広報とブランドコンサルティングを推進。2022年には自身の夢である「社会の境界線を溶かす」を実現するために、HI合同会社を設立。SDGs教育を軸に、国内外の企業や、個人に対して、一人ひとりが自分の軸を通じて輝ける、持続可能な社会のあり方やビジネスモデルを追求する。Forbes JAPAN 2021年度「今年の顔 100人」に選出。



 

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