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SMOメンバーコラム:台湾カルチャーイベントが熱い

更新日:1月30日

コロナ前からリモートでの働き方を推進し、グローバルにチームメンバーがいるのもSMOの特徴です。日本ではまだ見られないような「未来の芽」を各国各地で探して、何かのヒントに繋げていけるようアンテナを張っています。

SMOメンバーコラム、今回は、春に東京から台北へ拠点を移したコンサルタントの榎並 真理子が、台湾カルチャーについて現地レポートをお送りします。


 

こんにちは。SMOの台北在住スタッフ榎並です。日本から台湾へ引っ越して6ヶ月が経ちますが、だいぶこちらでの生活にも慣れてきました。今年の春先に出たBRUTUSでも最新の台湾特集が組まれ話題になりましたが、今回は住んでみて感じている台湾文化をレポートしたいと思います。


昨今の台湾を理解する上で、「文創」というキーワードがあります。字の如く「文化を創造する」という意味で、様々な分野でこの言葉・概念が用いられてきたようですが、「古き良きものを残すだけでなく、それらを生かして新しい文化を生み出すこと」と解釈されているようです。歴史的建造物をリノベーションした文化施設やレストラン、カフェ、宿泊施設などを新たに利用できるようにしたり、古いデザインに新たな価値を加えたりと、「文創」は様々な分野で、有形・無形を問わずに発信されています。


また、最近はデザインというものが非常に重要視されており、それが国策だという点がとても興味深いです。人口わずか2300万人の台湾という島国が超高齢化社会を迎え、これから生き残っていくためにどうするか。世界へ発信する地方都市のコンテンツ開発も積極的に行われているようです。政府に台湾デザイン機関があり、企業とデザイナーをマッチングしたり、他にも文化関連の組織がいくつも存在しているそう。デザイン学校卒の学生も多く、政府の支援も手厚いことから、海外に出た若者のUターンを促すきっかけになり好循環が生まれているとのことです。


台北市にある代表的な文創施設として有名なのが、日本統治時代のタバコ工場跡地をリノベーションした松山文創園區。どこか、昔の日本の小学校のような懐かしい雰囲気を感じる建物ですが、その中の一室につくられている「Not Just Library」はデザインに特化した書物を閲覧できる図書館。

松山文創園區HPより


イベントなどにも活用され、クリエーターが集う場所になりつつあるといいます。他にも敷地が広いので、常設店舗やラボのような場所が複数あったり、イベントも開催されています。

前回足を運んだ際に開催されていた蚤の市は、日本の昭和レトロアイテムから、台北市の中心エリア、中山地区でも店舗が増えているという古着、台湾の古い食器としてコレクターも多い大同食器まで、掘り出しものがたくさんあってつい長居したくなる見応えのあるイベントでした。












同じく台北酒工場跡地を活用した華山1914文化創意産業園區。レンガづくりに蔦が絡まるリノベーションが象徴的でアート展示やミニシアターがあったり、幅広い年齢層が集まるスポットになっています。

華山1914文化創意産業園區



先日は、一年に一回開催される「Taipei Art Book Fairー草率季2023」に行ってきました。

台湾で一番面白いと言われているアートブックフェアで、総勢400組以上のクリエイター、出版社、独立系出版などが出店し、そのうち80組は海外からの出展者。日本からの参加者も目立ちました。今年のキュレーターのインスピレーションは、人々を常に直線的な携帯電話のスクリーンやデジタル環境にさらされている習慣から解き放ち、アートブックというメディアの限界を打ち破ろうという「NEVER GIVE UP」がコンセプトとのことでした。イベント概要を把握しないまま会場に足を運びましたが、とにかくこの場を楽しもうよという空気感、細かいことは気にせず直感的にクリエーターのアートブックに刺激をもらってお気に入りの一冊を探そう!共通言語はなくともアートブックという作品を通して国境を跨いで人と繋がり交流が生まれているような場所でした。


賞を受賞するようなアーティストから、企業経営者でありながら趣味で制作してますという方まで幅広くブースを展開しており、それも日本のように綺麗にSNSで発信されているでもなく、今ここでしか感じとれないこの熱気、そこに集まるお客さんの感度、このリアルなイベントが台湾を面白くしているような気がしました。



歴史的に複雑な背景もありますが、時代に合わせたフレキシブルさを持つ風土と言われる台湾。引き続き熱い台湾カルチャーをウォッチしていきたいと思っています。



(SMO 榎並 真理子)


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